「越前ガニ」「松葉ガニ」「香箱ガニ」に

加えて「津和井蟹」。

 

これ全部「ズワイガニ」を指す言葉なんです。

 

大人気のズワイガニですが、

旬の時期に適切に手に入れるためには情報が要ります。

 

ややこしい呼び名の由来と共に、

ズワイガニの謎について調べてみました。

 

ズワイガニの特徴

冬の御馳走の代名詞のズワイガニ。

 

大人気のカニなのに色々な呼び方がされていて

かえって混乱している方も多いのでは?

 

一体私達はどんな「〇〇ガニ」を

買えばよいのでしょう?

 

ズワイガニの特徴

参照元:https://www.photo-ac.com/

そのほっそりしたすべすべ脚が特徴的な

ズワイガニ。

 

正確には「本ズワイガニ」という種類を指します。

 

「細い枝」を意味する「スワイ」から

種の名がついたとの一説があります。

 

0~3度程度の冷たく深い海に生息しています。

 

オスとメスの差が極端なことが有名で、

メスは常に卵を抱えるため

エネルギーを取られて小さいものの

オスはどんどん大きくなります。

 

大きなオスならば全長70㎝も珍しくないとか。

 

食べられるサイズ(甲羅9㎝以上)に成長するまで

およそ10年はかかりますが、

大きくなったカニは味良し、カニ味噌よし、

卵もよしと、三拍子揃っています。

 

食べられないのは殻だけ!

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肉は繊細で甘味が強く、

癖がないので食べやすいです。

 

カニ味噌も毛ガニと同じく、

大変まろやかで美味しい上に量があります。

 

またメスがひっきりなしに産卵する種類なので、

他のカニと比べ子持ちを手に入れやすいのもメリット。

 

毛ガニが小型ゆえに身がすくなめだったり、

タラバガニの仲間がカニ味噌が微妙だったりするなか、

奇跡的にもあらゆる部位が美味しいというすごいカニ。

 

刺身から缶詰など様々な料理に変身するズワイガニは

カニの王様といってもいいでしょう。

 

どこでもとれる!?ズワイガニ

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食べたときの満足感が凄いズワイガニですが、

喜ばしいことに獲れる地域も広く、

盛んに水揚げが行われています。

 

冒頭で触れた沢山の呼び名でわかるように、

日本各地でズワイガニが獲られているのです。

 

「越前」、つまり福井で獲れたなら「越前ガニ」。

「松葉」、つまり山陰地方で獲れたなら「松葉ガニ」。

 

名を変えて日本全国で親しまれているのです。

 

そして漁獲量で一二位を争うのは、なんと兵庫と鳥取。

毛ガニのように、北海道ではないんです!

 

限界は山口県あたりまでで、太平洋側・日本海側

どちらの海域でも広い範囲で獲れる。

 

この美味しさと生息域の広さゆえ、ズワイガニは

「カニと言えば」名が挙がるほど人気になったのです。

こんなに違う!ズワイガニの名前
地方によって、オスとメスで呼び名が違う
ことがあります。
福井「越前」/「子持ち」
兵庫など近畿地方「松葉」/「セコガニ」
etc.…
オスのほうが大きく好まれるため、名前を多く持ちます。
呼び名を覚えて自分が最も気に入るカニを
選べるといいですね。

 

ズワイガニの旬はいつ?

食べ物はなんでも「旬」が一番美味しいもの。

 

せっかくのズワイガニも、出来たら最高潮の

時期に味わいたいですよね。

 

全国各地で獲れるズワイガニの、

それぞれの旬を調べてみました!

 

ズワイガニの食べ頃

参照元:https://www.photo-ac.com/

カニの食べ頃とは、

十分大きくなった脱皮寸前の

タイミングを指します。

 

脱皮してしまったカニは、

エネルギーを使い果たして

痩せてしまうからです。

 

毛ガニなど北海道周辺に生息するカニは、

春先の方が栄養を多く含んだ海水により

身が太る傾向があります。

 

しかしズワイガニはカニのイメージそのままに

冬が最も美味になるカニです。

 

新鮮な活を手に入れるならば冬に限ります。

 

ただし冬が旬と言えど、

全国で獲れるカニのため

時期が各地で異なる場合があります。

 

正確な旬を推し量るには、通称を確認するのが

手っ取り早い方法です。

 

新潟より北の場合

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他のカニもそうであるように、

ズワイガニも禁漁期が設けられています。

 

解禁期間は大きく分けて地域ごとに2つにわかれており、

新潟より北の海域と富山より西の海域では、

前者の解禁日が早く来ます。

 

新潟より北では、10月1日から5月31日まで。

 

秋はじめから夏のはじめまで獲れるわけです。

 

有名なのが「越前ガニ」でしょう。

福井県産のオスのズワイガニのことです。

 

漁業協同組合により、

黄色いタグが付けられているものが該当します。

参照元:https://www.photo-ac.com/

福井県の海は暖流と海流がぶつかり、

栄養豊富な海水でカニが太りやすく、

他の地域と比べても身の甘味が増す環境にあります。

 

ゆえにブランド品として有名なわけですね。

 

皇室にも古くから献上品として

送っていた実績があります。

 

またメスの「セイコガニ」も有名です。

いわゆる子持ち状態のカニのことで、

身よりも卵(内子・外子)を楽しみます。

 

卵を抱える関係上、

メスは1月初旬にピークを迎えます。

 

オスはもう少し長く、3月上旬までOKです。

 

それ以降はやや味が落ちるとされているので、

購入の際は気をつけるようにしましょう。

 

富山より西の場合

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富山より西の海域では、もう少し後に解禁日です。

 

またオス・メスで解禁日が異なります。

 

オスは11月6日から3月20日まで。

メスは11月6日から1月10日までです。

 

山陰地方で獲れる「松葉ガニ」が有名ですね。

 

鳥取県知事が「蟹取県」と宣伝したのは

記憶に新しいでしょう。

 

鳥取県で獲られた「鳥取松葉カニ」というブランドも

あるほどです。

 

このように松葉ガニは地域によって呼び名が変わります。

 

聞いたこと無い名前のカニは、

あらたなブランドかもしれません。

 

組合のタグが付いていたら、安心していいでしょう。

 

ブランドカニは、地域が推す自慢すべきカニ。

 

漁師さんたちも鮮度を保つため、

品質はそのままに生け簀で飼育したりと

全力を尽くしていますので、

各地でそれぞれ違った繊細な味わいがあります。

 

また、11月半ばや3月半ばが狙い目とも言われます。

 

海が荒れずに良い量・質のカニが獲れるためですが

旬の初めは買い手が殺到するため、

手に入れるのが難しいかもしれません。

 

様子を見て早めに行動しましょう。

黒いつぶつぶは「カニビル」

ズワイガニを購入すると、甲羅に黒い

つぶつぶがついていることがあります。

これの正体は「カニビル」といい、カニの

体液を吸う寄生虫の卵です。

参照元:https://www.photo-ac.com/

気味悪いかもですが、人間には無害な上

カニビルがついている→長い間脱皮していない

→身の詰まった堅ガニである!ということで

通はついているものを選ぶのだとか。

 

外国で獲れるズワイガニ

参照元:https://www.irasutoya.com/

日本の至るところでブランドと化した

ズワイガニですが、

外国産もあるのをご存じでしょうか?

 

外国ではタラバガニや毛ガニと同様に、

カナダやロシアなどで水揚げされています。

 

かつての輸送に手間取っていた頃ならいざ知らず

現在は冷凍技術も発展しましたから、

例え時間が立っていても味に遜色はありません。

値段も安いので単にズワイガニを食べたいだけなら

いいかもしれません。

 

鮮度や味を重視する場合は国産で。

スピードや値段を重視する場合が外国産で。

選択するといいでしょう。

 

ズワイガニを購入するには

漁の期間に合わせてズワイガニを購入せねば

いけません。

 

さて、迅速に購入するのに最良の手段を

模索してみましょう。

 

現地へ行く

参照元:https://www.pakutaso.com/

毛ガニやタラバガニと違い、

ズワイガニは比較的直接現地へ行って

購入しやすいカニです。

 

地元でそもそも水揚げしているよ!なんて方も

いるかもしれませんね。

 

小旅行がてら地元の市場・スーパーへ行って、

思う存分見比べて購入するのも悪くない選択肢です。

 

特に「〇〇ガニ」と地域の名を銘打っているカニは、

そこの人達が誇りをもって取り扱っている証拠。

 

ブランドに恥じないものが並んでいるはずです。

 

物産展を狙う

参照元:https://www.photo-ac.com/

ズワイガニは贈答品としても人気の商品です。

 

時期的にお歳暮や、

家族や団体で集まる行事が集中する

冬に旬があることも要因の一つ。

 

ゆえにデパートでも必ず取り扱いがあります。

 

デパートはもちろん高品質のものを仕入れる場所。

 

海なし県に住んでいて

わざわざ産地に行くのも億劫な人でも、

ここならば納得できるまでカニを

選び抜くことができます。

 

タグや品質管理など

「安全性」に関してはかなり高いため、

通販に慣れていない方でも安心して

購入することができます。

 

やはり相応のお値段はしますが、

贈答品ならば発想や梱包のことも含めて

ここで購入するとよいでしょう。

 

通販を使う

参照元:https://www.photo-ac.com/

ラジオやテレビの通販番組は、

冬が近づくとカニのお得な販売を宣伝しだします。

 

通常の品だけではなく、事故などで脚が取れたり

殻に傷がついたりしただけな

「訳アリ」商品なども扱うため、

お得な時もあるようです。

 

年配の方はインターネットより

この従来のやり方が安心するのか、

もっぱらこちらを選択する模様ですね。

 

活でも冷凍でも、

自宅へ直接好きな時間帯に送って貰えるのは

やはり大きいです。

 

ただし近年「カニカニ詐欺」という

送りつけ商法の存在もあります。

 

うっかりその手の犯罪にひっかから

ないように気をつけなくてはいけません。

 

インターネットショッピング

参照元:https://www.photo-ac.com/

電話をかけるより更に楽で

迅速なのがネット通販です。

 

指定日を指定できるのはもちろんですが、

様々なオプションをつけるのも容易なのがポイント。

 

「訳アリ」と通常の品を、

片方は活状態でほしいという

複雑な注文も可能です。

 

関連商品を提案してくれたり、

クーポンが使えたりとお得なサービスもつきます。

 

メールのやり取りなどすることで、

万が一の事故をある程度防ぐこともできそうです。

 

もちろんインターネットにも危険性はあります。

 

直接顔も商品も見えないため、

信頼できる業者を選ぶ必要があります。

 

老舗の店かどうか、評価の中身はどうか。

隅々まで確認してから購入しましょう。

 

 

いかがでしょうか。

「ズワイガニ」は名前一つとっても複雑ですが

それには各地の並々ならぬ熱意があることが

おわかりいただけたでしょうか?

 

いろいろな地域のズワイガニを食べ比べて

みたいものですね!