カニといえば何ガニ?という質問に、毛ガニと同様

挙がるのが「タラバガニ」と「ズワイガニ」でしょう。

 

実はこのカニ達、味も中身も種類すら違うって…

あなたは知っていました?

 

タラバとズワイの違い

タラバガニとズワイガニ。

 

詳しくない人は大き目の

カニというイメージだけでしょうね。

 

実際似ているのはあくまでサイズ感だけなのです。

それぞれの特徴を比較していきましょう。

 

タラバガニってこんなカニ

参照元:https://www.photo-ac.com/

まず宣言しますと、

タラバガニはカニではありません。

 

正式分類はエビ目ヤドカリ下目タラバガニ科。

 

あの貝殻を背負って歩くユーモラスな生物、

ヤドカリの仲間なのです!

 

その証拠に、他のカニ類には計4対8本あるはずの脚も、

タラバガニは3対6本しか存在しません。

 

これは初対面でも違和感があった人が多いかと存じますが

要因は種の違いにあったんですね。

 

他にも体が左右非対称など、細かな違いが多くあります。

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別段タラバガニがヤドカリの仲間だといって

特に困ったことはないのですが、

更に違いを上げるとすれば

旬が他のカニと大きく異なることでしょうか。

 

タラバガニの旬はなんと夏!7月は真っ盛りです!

 

ズワイガニがカニのイメージそのままに

冬が旬になっているのに対し、タラバガニはその真逆。

 

これは産卵期という痩せやすい時期を乗り越えた

品質が安定する頃に当たるからとか。

 

もちろん「流氷明け」という

オホーツク海の流氷が溶け、

栄養ある海水で育った春のカニも

美味しいと言われますし、

秋頃にも「堅ガニ」が獲れるとも言います。

 

しかし通年通して国内で良質のタラバガニを取るなら

やはり夏が一番の模様です。

 

大きさは1mを超えるものもザラにあります。

 

特に国外で獲れるタラバガニは巨大なものが

多いよう。

これはひとえにどれだけ極寒の

海域で漁をしているか、によると思われます

 

脚の本数のためか、縦長に感じるフォルムです。

 

また全身にトゲが目立ちます。

 

毛ガニが文字通り剛毛に覆われたカニならば

こちらは手に刺さりそうなトゲガニといったところ。

 

ズワイガニとの違いは一目でわかります。

 

ただしアブラガニや花咲ガニなど、

似て非なるカニが結構いるのが困り所だったり…。

 

ズワイガニってこんなカニ

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ズワイガニはカニの中でもかなり有名なカニです。

その理由はずばり「生息域の広さ」!

 

毛ガニやタラバガニが北海道オホーツク海等

極寒の海でしか水揚げできないのに対して、

ズワイガニは茨城県から山口県まで生息しています。

 

太平洋・日本海もちろんオホーツク海にもいるのです。

 

これこそズワイガニが

カニの中で随一の有名度を誇る理由です。

 

各地で獲れるだけに、ズワイガニは人気が高く、

いつしか各県それぞれが名前を付けて固有のブランドに

するようになりました。

 

「松葉ガニ」「越前ガニ」などはその最たるものです。

 

またズワイガニはオスとメスとで大きさが異なるため

「セイコガニ」など性別による名前の違いさえあります。

 

有名ですが、名が多いために、

ネットで検索して混乱しやすいのは

ズワイガニがトップと言えましょう。

 

もちろん実際の茹で方や保存方法は同じですが、

カニを始めて買う人はまごつくでしょうね。

 

見た目はタラバガニと違い、

ほっそりとした脚で、全体的にすべすべした質感のため、

見分けは容易にできます。

 

大きさはタラバガニよりやや小柄程度で遜色なく、

大きなオスが脚を広げれば70㎝を越すこともあります。

 

やや真横に脚を張ったフォルムが特徴です。

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また、特に美味しいと言われるズワイガニには

「カニビル」の卵が付着していることがあります。

 

これはカニの体液を吸う寄生虫の卵で、

一見驚きますが人にはまったくの無害です。

 

カニビルの卵は

「長い間脱皮していない=身が詰まっている」証!

 

甲羅につく黒い点を見つけたら、

ラッキーと思いましょう!

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タラバガニとズワイガニの味の違い

大きさがあまり変わらないならば、

気になるのは中身のお味。

 

カニと言えばカニ脚やカニ味噌が醍醐味ですが、

果たして2者にはどんな違いがあるのでしょうか?

 

タラバガニとズワイガニ、身が美味しいのは?

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タラバガニとズワイガニの身の味は異なります。

 

その違いは体の構造を見てみればわかります。

 

ズワイガニは繊細な味とよく言われていますが、

それは脚の細さを見れば理解できるでしょう。

 

あの美脚はタラバガニのごつい脚と比べて

身はそれほど多いわけではありませんが、

柔らかくほぐれやすい身がしっかり収まっています。

 

繊細で磯の風味が薫る上品な味と言われています。

 

そのまま塩茹で・焼きガニにするだけでも味が

しっかりついているというのですから驚きですね。

 

その淡泊さから、調味料と喧嘩することもありません。

 

単純な茹でガニからグラタンのような凝った料理や

加工食品と、広く使われるのは、この特性のおかげです。

 

対してタラバガニはどうでしょうか。

 

ズワイガニよりも2本脚が少ないわけですが

反対に脚の太さで言えばカニの中でもぴか一。

 

身もその分しっかり詰まっています。

 

また、太いということは捌いたときに

身を取りやすいということもあり、

ストレスなく身をパクパク食べられるのもいいところ。

 

糖質がほとんどなく、たんぱく質の塊ですから

カロリーオーバーになりにくいのもよいですね。

 

食感もヤドカリ類だからか、普通のカニ身より

しっかりとした歯ごたえがあり、

より「肉」を食べている感覚を与えてくれます。

 

人によるとカニよりエビに近いという話も。

 

またタラバガニは脚のみで売られている場合も多く、

上手に買い物すれば大量のカニ身を

お安く手に入れることも可能です。

 

その際「フルシェイプ」を選ぶといいでしょう。

 

片側のハサミと脚のセットのことを「1肩」と言い、

フルシェイプは1肩に欠損がない・他のカニ脚で

補ったりはしていないという意味です。

 

パーティなど、大人数が集まる機会は特に重宝

することこの上ないですね。

 

和洋中。様々なカニ料理を楽しみたいのならば

答えは「ズワイガニ」。

 

できるだけたくさんのカニ身を

心行くまで食べたいと願うなら、「タラバガニ」。

 

用途に加えて選ぶといいでしょう!

 

タラバガニとズワイガニ、味噌が美味しいのは?

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一般的な「カニ味噌」とは、

カニの内臓(肝臓等)を差す

黄色ないし灰色の部分のこと。

 

とびきり新鮮なうちはウニのように黄色なんですね!

 

時が経つにつれ、苦みが増して、灰色がかってみえるとか。

 

言うなればカニのレバ―のような感じで、

まったりとした味が特徴的です。

 

フォアグラの例を挙げるまでもなく、

レバーは美味しい部位ですが、カニもそれは同様。

 

ここもタラバガニとズワイガニで味が異なります。

 

まずタラバガニの場合。

体がごつく、脚の身がたくさん詰まっているタラバは

実はカニ味噌はそこまで多くありません。

 

むしろヤドカリに近い種類であるためか、

味噌の流出が激しく、

下手に茹でガニを買うと

賞味できる量自体がないこともしばしば。

 

茹でるにせよ、焼くにせよ、

熱を加えてある程度固まり、

留まる性質であの独特な食感が手に入るのですが、

タラバガニだと留まる時間が短く

冷めるとすぐ溶けてしまいます。

 

ですので、確実に良い質のものを一定量手に入れるには、

活を購入し、自分で締め他ありません。

 

これさえできればタラバガニの味噌を食べることも可能。

 

味は他のカニ類に比べ苦目などとも聞きますが、

新鮮なものなら負けず劣らずの味だとか。

 

一度はチャレンジしてみたいところですね。

 

反対に、ワイガニはカニ味噌を手に入れるのが

かなり簡単な種類のカニです。

 

毛ガニもですが、ズワイガニも

れっきとしたカニの仲間で、

タラバガニのように味噌が流れて

肉に流出しやすい性質はありません。

 

特に旬の時期、脱皮前の状態だとカニ味噌部分が

成熟・肥大化しきっており、たくさん取れます。

 

もちろん一番良いのは活状態を買うことですが、

冷凍ボイルでもなかなかの状態で収まっているのは

嬉しいポイント。

 

苦みがあまりない、まったりとした味を楽しめます。

 

あなたがカニ味噌や甲羅焼きを何より楽しみに

しているなら、おすすめは「ズワイガニ」です!

 

タラバガニのカニ味噌は準備に余裕があるときに

購入するのがおすすめですよ。

 

タラバとズワイ・値段比較

タラバガニとズワイガニ、種類から食べ方まで

何から何まで違うことがおわかり頂いたでしょうか。

 

ここまで違うとなると、肝心のお値段にも

大きな違いがあるのでは?と思ってしまいますよね。

 

相場の要因①「まるごと」か「1肩」か

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タラバガニ・ズワイガニの値段について

断定するのは難しいです。

 

というのも、値段を決める要因が複数あるために、

平均値を出しにくいため。

 

それでもやや乱暴に言ってしまうなら、

どちらも1㎏を越える場合

10000円前後することも珍しくありません。

 

ただしタラバガニは甲羅の部位を除いた姿で

測っていることが多いのでご注意を。

 

カニ味噌など、食べられない場所を加算するより

良心的な計算ですね。

 

あくまで可食な範囲で1㎏ということです。

 

姿で考えると、

ズワイガニよりタラバガニの方が安くなります

 

カニをまるまる1杯、

脚の一本もかけることなく欲しい場合は

宴会やパーティー向けに用意するのかと思われます。

 

しかし気を利かせたはずが、

かえって内容量が減る場合があります。

 

集まる人たちの意向を確認した方がよいでしょう。

 

相場の要因②保存方法

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その他、カニの保存方法で値段は大分異なります。

 

具体的には活>冷蔵>冷凍と言った順になります。

大体1000~3000円程度は値の開きがあるものです。

 

冷凍カニは外国で獲れたものも多くあり、

国内産より安価です。

 

ロシアやノルウェーなど、

漁獲された場所は様々ですが、

すべて輸送のコスト・時間の問題で

カニを冷凍にするしか流通に乗せられないのです。

 

冷蔵の場合ならば、国内で水揚げしたものがすぐ

発想の手続きを取ります。

 

「浜茹で」など銘打たれたボイル品は、

カニ通販の主力商品ですね。

 

冷凍よりは日持ちしないため業者の負担が大きく、

値もかさみます。

 

最後の活は言うまでもありません。

 

カニを生かして痩せさせないよう管理するのは

大変難しいことです。

 

並々ならぬ手間暇かけられた活カニは、

鮮度はさることながらお値段も相当お高くなります。

 

相場の要因③シーズンオフか否か

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まずタラバガニは夏。ズワイガニは冬。

 

2つは旬が大きく違うので、

ことシーズン中については

値段が競合することはあまりありません。

 

最もそれは流通数が少ない活などの通販のことで、

むしろ値段を決めるのはそれぞれの旬か否か、という

点にかかっています。

 

夏も過ぎてタラバガニの国産・活を選ぼうとすると、

業者の範囲が大層狭まるように、

シーズンオフのものは

どうしたって高値がついてしまいます。

 

また、悲しいことにタラバガニを始め、

カニの漁獲量が減っている時には当然規制がかかります。

 

そういった不測の出来事も相場に関係していると

いえばいえるでしょう。

 

相場の要因④「訳アリ」カニ

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基本、旬から外れず、冷凍のカニを選べば、

タラバガニもズワイガニも外れはないでしょう。

 

ただしもう一つ、値段の相場を決める重大な

要因があります。

 

それが訳アリ

何らかの事故で足が外れてしまったり

殻に傷がついてしまったりしたカニのことを指します。

 

活では無理ですが、

冷凍や冷蔵ではなんら珍しくないありません。

 

そのままだとお店にて提供するのは難しいので、

安価にしてなんとかさばこうというわけなのです。

 

味には遜色なく、ただ単に見栄えの悪さや

傷みを気にして

購入にまで至らない方も多いようですが、

これは大変もったいないこと。

 

少なくとも個人や家族で消費する分には、

神経質になる必要はありませんね。

 

完全無欠の「姿」(カニそのまま1杯の姿)を

必要としない限り、

この訳アリ品を選んでみるのも有です。

 

大人数のカニパーティなどで、

脚をとにかく必要としている…

なんてときにはうってつけですね!

 

とくに甲羅部分は

捨ててしまうことが多いタラバガニは

最初から1肩単位で売られていることも多く、

見栄えを気にしないユーザーが一定以上いるために、

特に訳アリ品界隈が充実している傾向があります。

 

ですが気をつけなければいけないことがひとつ!

 

訳アリ品と称してなんでもかんでも売りつける

悪質な業者も中には存在しているということ!

 

頼んでもいないのに他の種類のカニや

サーモン、貝などを入れてきたり、

質の低いものを平気でよこしたりと

被害の枚挙には暇がありません。

 

また向こうから連絡を取ってきて

積極的に騙してくることも!

 

営業年数やユーザー評価などで、

信頼できる業者をきっちり見極めるのが、

いかに大事かがわかりますね。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

タラバガニとズワイガニの違いについて熟知されたなら

もう迷うことはありませんね!

 

是非自分が欲しい種類のカニを適切に選んでみましょう!